「できる人」はどこがちがうのか (ちくま新書)



「できる人」はどこがちがうのか (ちくま新書)
「できる人」はどこがちがうのか (ちくま新書)

商品カテゴリ:受験,教育,学習,英会話,資格取得
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思い出の本

以前、仕事で失敗ばかりしていた時に、当時の社長に「君はこれを読みなさい」と渡されたのが本書。こういった類の書は、著者が「俺は出来るんだぞ。だからお前もこうした方がいい!」という内容なんだろうなという偏見から、「うわぁー、読みたくねぇな。何でこんなもの読まなきゃならないんだろう」と思いました。
ところが・・・読んでみると、頗るおもしろいんですな。著者は決して自分が出来る人なんだとひけらかす立場ではなく、イチローをはじめとするスポーツ選手、徒然草、村上春樹等、具体例を挙げ、「できる」ということについてわかりやすく解説しています。興味深い話が散りばめられており、参考になると思います。
さて、著者は出来る人になるために必要な力とは、まねる力・段取り力・コメント力だそうです。
印象的だったのは時速300kmで走る一流のレーサーが、路のしみから前輪の近くを横切る小石まで見えたという話。びびりましたが、麻雀の世界で20年間無敗だった桜井章一氏のピタリとはまった時は伏せている牌が全て透けて見えたという逸話もあるので、本当なんだろうなぁと思います。まあ、これは真の達人にしか至れない境地でしょうが。
私が齋藤孝さんを知るきっかけとなった思い出の本です。又、齋藤孝さんの初期の著作なので、大量に出している最近の著書に比べ中身が濃いような気がします。レベルアップしたいと思っている人にオススメの本です。
よく研究されていて、すばらしいの一言。

人は物事がうまくいってるときには、どうしてうまくいったのかという過程を気にしようとはしませんよね。だから、うまくいかないときは「いつも通りにいかないなあ。こういう時もあるさ。」と、原因をつきとめないから、再び失敗するという悪循環に陥ってしまいます。やはり結果に波があることは賢明ではありません。そこで、方法を明確化させておく必要があります。  この本は、どんなことにも通用するような普遍的な上達論が書かれてあります。抽象的な概念に名前をつけたりすることで、理解が、かゆい所に手が届くようにしっくりいきます。この著者は、ホントに細かい所までよく研究されていてためになり、面白いです。読んで無駄なことは決してないでしょう。この著者の他の著書も面白いので読んでみてはいかがでしょうか。
子供にはスタイル作りを

「できる」ためには何が必要か考えた一冊です。その答えは、「成功のスタイルを確立すること」です。つまり、子供の頃に成功体験しておくと、それが核になって応用が利くということです。子育てする上で、参考になる一言です。その他、参考になった言葉は次の通りです。

・学校の主な役割は上達のプロセスを普遍的な形で把握させることにある。
・ある領域での上達の体験が核となって他のジャンルの事柄にチャレンジした時にも、その体験を生かすことが出来る。
・上達を根底から支えるのは、「あこがれ」
・自分のスタイルを持つことが出来るのは、非常な喜びである。
・暗黙知をいかに明確に認識するか。
・要約の基本は、肝心な物は残し、その他は思い切って捨てることにある。
・個性は生まれつき持っているもので、スタイルは習熟によってのみ得られるものである。
・自分にとって誰が先行者であるのか。この問題意識を保ち続けることが上達の秘訣である。
・テキスト探しが指導者の重要な仕事になる。
・自分の知らないことが何であることを上手く知ることが出来ない。
・幼少期に読んだ偉人伝が人生を生きるための基本的な上達論として心の中に残って作用することがある。
・繰り返し練習し、量が質に転化する瞬間を逃さないことが重要である。
・感動は、上達の根源的なパワーである。
身体論のヒント集

”声にだして読みたい...”でメジャーデビューした斎藤先生の専門は教育学と身体論との事で、その実践たる本の出版の精力には驚くばかりで、最近はその身体運動がCMで消費されるまでになってしまった。本書は斎藤先生の書としては新刊ではなく、メジャーでもないが、ご本人のテニスの経験や一流運動選手から村上春樹氏がなぜ書きつづけるために走るのかと、学問のジャンルを越えた手探りの考察ぶりが興味深い。真似る力、要約力、その他五感と頭脳の関連性についてヒントに満ちた一冊である。
自分なりのスタイルを確立する

身の回りを見ても、仕事ができる人、スポーツができる人、英語ができる人など、いろいろな分野において「できる人」というのは存在する。しかし、誰もが最初から「できる人」だったわけではない。
「できない人」から「できる人」へ変わるためのプロセス。
そのような上達のプロセスを持っている人が、本書の言う「できる人」である。

本書では、いろいろな「できる人」を例に上げながら、多彩な上達方法が紹介・解説されている。そして、それを個人の「スタイル」と密接に結びつけ、自分なりの上達の方法を確立することを勧めている。

筆者の言うことには「なるほど」と納得できる部分が多い。
ただ、本書を読んで「できる人」になれるかどうかは別問題である。「できる人」の上達の秘訣を垣間見ることができるだろうが、上達の秘訣は各個人で違うため、誰にでも当てはまる鉄則のようなものは存在しない。どうしても抽象的な説明になってしまったり、事例を上げたりするのが限界かもしれない。
ただし、それはそれでヒントにはなると思う。本書をきっかけに自分なりの「スタイル」・「上達のプロセス」が確立できれば、「できる人に」なれる可能性はあるだろう。



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